うた、ことば、ふうけい。

合唱、作曲、その他いろいろなこと。

フォロワー

ツイッターの話ではない。
leaderに対するfollowerの話である。

かつてTEDにハマっていた時期が(わずかに)あったのだが、TEDにハマるきっかけとなったこの動画を今でもたまに思い出す。

How to start a movement | TED Talk

タイトルは直訳すれば「社会運動はどうやって起こすか」。
社会運動というと仰々しいイメージだが、この動画の内容を拡大解釈すれば、「ひとつ(ひとり)のアイデアがいかにして動き始めるか」について話されていると言ってよいだろう。

動画では、原っぱで突然一人の男が踊り出すのだが、やがて別の男が最初の男と一緒に踊りだす。
続けて3人、4人と人が集まっていき、最終的にはみんなが踊りだしてしまう。 ここで、突然踊りだした男のところへ最初に向かった男のことがこう表現されている。

The first follower is what transforms a lone nut into a leader.
(最初のフォロワーというのは、ひとりの狂人をリーダーに変える。)

フォロワーは、「他者にフォローする(=乗っかる)方法を示す」(show others how to follow)ことで、「ひとりの狂人」から始まった踊りをひとつのmovementに仕立て上げたのである。

上下関係ではなく

単にリーダーとフォロワーとの対比で考えると、課長と課長補佐のように、両者に上下関係が生まれそうなものである。
しかし、そうではないと考える。

そもそもリーダーに求められているのは、「最初の貴重なフォロワーを対等に扱い保護すること」(nurturing your first few followers as equals)である。
そしてフォロワーは、リーダーとなる存在を見つけたときに自主的に立ち上がる存在である。 はじめから上下関係が約束された関係ではなく、リーダーとフォロワーはそれぞれに重要な役割を担っているのである。

この意識の持ち方は、ホラクラシー的な組織にもつながっていくのではないだろうか。 メンバー同士が対等に、しかし種々の局面ではリーダーとフォロワーがそれぞれ生まれ、ダイナミックに活動できる組織は理想だ。

団員ひとりひとりがリーダー/フォロワーとして

合唱団でもつくづく思う。フォロワーとしての意識をそれぞれが持てば、運営はもっとよくなると。 単に指揮者やチーフに追従するだけの存在ではなく、自主的に動いて他者を巻き込んでいく存在でありたい。
もちろん、リーダーになる側はフォロワーと対等な関係を構築する必要がある。
その相互作用が、組織を強く、大きくしていくと思う。

こぼれ話

なぜこのテーマで書いたかというと、仕事での自分の立ち回りについてちょっと考えたから。
まだぺーぺーだし今は基本的に降りてくる仕事をこなすしかないんだけど、仕事がエスカレーターのように上下移動する官僚的な組織は、下にいるのも上にいるのも苦しいよなあと。
組織のあり方を変えていくの、もはや野望。はてどうなるでしょうか。