うた、ことば、ふうけい。

合唱、作曲、その他いろいろなこと。

記念日は日々生まれ

ぼくにとって大事なアーティストであるSHISHAMOは、11月11日、12日と2日間にわたるライブを成功のうちに収め、翌13日にメジャーデビュー10周年を迎えた。

それからおよそ2週間。新たな記念日が誕生――

小玉ひかりが、11月29日にメジャーデビューを果たした。

ひかりちゃんもまた、ぼくにとって大事なアーティストのひとりである。縁あってチャンネル登録をしていたWHITEBOXに出演していたのを観て、その特徴的な歌声が気になっていた。そして、ひかりちゃんのチャンネルでオリジナル曲をいくつか聴いて、ああ、いいなあと、たぶん最初はそんな感じだった。

でも気付いたら、自分の生活に欠かせないナンバーになっていた気がする。転勤とコロナ禍が相まって塞ぎ込んでいた時期だったが、ひかりちゃんの曲が心の支えになった。特にしんどい時期だった2021年の夏頃に出た『ヒロイン症候群』。その終曲『星の涙』を聴きながら暗黒のような時間を乗り越え、『これでいいんじゃない?』を心の中で鳴らしながら前に進んだ。

そうして自分は前に進み、一方ひかりちゃんも着実に歩みを進めていった。ライブは回を重ねるごとに箱も大きくなり、人も増え、盛り上がっていった。その過程を見てこれたのもうれしい。

そしてついに、メジャーデビュー。インディーズからの軌跡を追っかけながらメジャーデビューを見届けられた体験は初めてで、正直半分くらいは実感がわかないけれど、なんだかとてもうれしい。

リリースイベントでは、いつもと変わらないひかりちゃんがそこにいた気もするし、出会った頃と比べて何倍も成長した姿を見られたとも思う。これからも、かけがえのない、そして親しみをもてるアーティストであるということは変わらず、成長し続けるひかりちゃんをこれからも応援していきたい。


さらに数週間がたち、12月16日。今度は、早希ちゃんが自身初のワンマンライブをおこなった。

早希ちゃんとの出会いは、ひかりちゃんが所属していた、ぷらそにかのイベントであった。まだぷらそにかのことをほとんど知らない中、早希ちゃんの音楽を聴いたのも初めてであったが、自分にしては珍しく、一回聴いただけで「あ、好きかも」となった。『あの日から』――出会いの曲を覚えているアーティストは、他にはSHISHAMO(『明日も』)だけである。

そんなわけでめでたく“推し”の仲間入り(?)をしたわけだが、対面でのワンマンライブはやっていなくて、あるとすれば配信ライブだったから、とにかく対面でのワンマンが待ち遠しかった。比較的最近ファンになった自分でさえそうなのだから、ずっとファンだった人たちにとっては本当に待ち遠しかったんじゃないかと思う。

だから余計に、12月16日は、とても幸せな時間だった。初めてのワンマンで昼・夜の2部構成。ファンにとってもぜいたくなものであったはずだ。内容も、ただ早希ちゃんの音楽・歌声が素晴らしいだけでなく、世界観が作り込まれていたから、より幸せな気持ちになれた。昼の部のプログラムが終わり、早希ちゃんが去った後、ピアノ伴奏の“サプライズ”に思わず涙しそうになったのは、きっと自分だけじゃないはず。こういう細かいところまで演出がなされるのは、早希ちゃんならではの強みではないか。ライブハウスを出た後、みなとみらいの何でもない風景がきらめいて見えたのも、早希ちゃんの音楽と世界観が自分の心にしみわたったからなのだろうなと思う。

見逃し配信が12月25日までだったのも、早希ちゃんらしくてほほえましい。25日当日の視聴はできなかったが、配信も見て楽しませてもらった。

すでに各所で活躍している早希ちゃんだが、これから“シンガーソングライター”として躍動していくことが楽しみであるし、応援していきたい。


こうして記念日は日々生まれ、年輪のように刻まれていく。それは自分にとってもそうかもしれない。

今年は、合唱プロジェクトFlowing Cloudsを立ち上げ、大阪、東京での初舞台を経験した。やはりこれが今年一番のイベントだったなと、振り返って思う。これらの演奏が今後どのようなかたちで活きてくるかは分からないが、ひとまず記念日として祝福しておこう。

普通に生きていくだけでは、喜びと悲しみがだいたいイーブンで、ただ過ぎていくだけだ。小さなことを祝福する心持ちも大事だが、大きなアクションを起こせるのであれば、それは自分を支えてくれる無形の財産になるはずだ。来年も、できることがあればチャレンジしていきたい。

そうしてまた、新たな記念日を祝福したい。